この本、想像以上にいいです。
これはおすすめ。
英語論文の書き方に関する本はいろいろ出版されており、いい本もいっぱいあります。
ただ、自分が今までに読んだほうがどちらかというと「英語論文の構成」にフォーカスを当てた本でした。
「Introductionは、
generalな事実 -> specificな事実 -> 未解決の事柄 -> 研究目的、と書け!」
みたいな。
それはそれで大事なことだし、参考になるところは多いんですが、実際の英語表現に関するところはちょっと記載がおざなり気味でした。
この「アクセプトされる英語医学論文を書こう!」は、論文の構成にも触れつつも、「英語表現」の部分にフォーカスを当てています。
それも、間違った表現と正しい表現を並べて示してあり、丁寧に解説してあります。
1週間のセミナーコースを1冊にまとめた本のようで、312ページとボリューム十分。
そんなところ気にしてなかったわ!と目からうろこが落ちたところをちょっと紹介
・現在時制 vs. 過去時制
(誤)The purpose of this study is to ...
(正)The purpose of this study was to ...
(誤)The purpose of this paper was to ...
(正)The purpose of this paper is to ...
ポイントは、研究自体は過去に行ったものだから、研究について書くときは過去形。
(過去に行った)研究に対して書いたこのpaperは読み手にとっては現在のものだから、現在形。
・Analyze
(誤)The white blood cell count was analyzed in the blood.
(正)The blood was analyzed for its white blood cell count.
ポイントは、血液を分析(analyze)してその分析項目の一つとしてwhite blood cellを測定した、ということ。
「全体」についてはanalyzeできるけど、「構成要素」はanalyzeするものではなく、測定する(determine、measure)もの。
その他、論文の構成、論文作成の心得などなど、丁寧に解説してくれています。
おすすめ。
この本を読み込んで、今作成中の原稿をしっかり磨き上げねば!
アクセプトされる英語医学論文を書こう!―ワークショップ方式による英語の弱点克服法 (JASMEE library) | ||||
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ちなみにこの本、「日本医学英語教育学会」とタイアップしているようです。
日本医学英語教育学会は、あの「医学英語検定」をやってるところです。
そして、本の著者のNell L. Kennedyさんは第一回の日本医学英語教育学会賞(植村研一賞)を受賞されています。
こんないい本を出版されて、十二分に日本の医学英語教育に貢献されてます。
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